上司の足音を聞くと、体がすくむ
上司の足音を聞くと、体がすくむ。
体が「次の攻撃」に備えて、かまえてしまう。
上司を前にすると、猫背になる。
どうにかして視線を合わせまいとするから。
上司が自席に近づいてくると、冷や汗が出てくる。
「また何か言われることがあるだろうか」と反射でかまえてしまうから。
上司が自席を通り過ぎると、ホッとする。
「やっと仕事に集中できる」と、肩の力が抜ける。
上司がタバコを吸うと、仕事に集中できる。
席にいないだけで、安心する。
上司が声をかけてくると、ヒヤッとする。
あの嫌な時間を思い出すからだ。
上司の機嫌が悪いと、心が重くなる。
そういうときは必ずと言っていいほど、毒を吐かれるから。
でもその上司も、機嫌がいい時は明るく声をかけてくる。
私は毎回、愛想笑いをするか少し迷って、愛想笑いをしてしまう。
そして上司が明るいうちに離れていく。
明日の上司の機嫌は、良いといい。